PCのSSDを128GBから480GBに交換したので、備忘録として手順を記しておきます。PC初心者の方でもわかりやすいように、なるべく詳しく書いていきます。SSDの容量が異なる場合や、HDDからSSDに交換する場合も基本的には同じ手順です。
はじめに
SSD(Solid State Drive)はUSBメモリやSDカードなどに使われているフラッシュROMを、ハードディスクのようにPCのドライブとして使えるようにしたものです。SSDはHDDと違い、ディスクやモーターなどの駆動部分がないので読み書きが非常に高速になります。特にOSやアプリケーションの立ち上がりが爆速になり、このスピードに慣れてしまうとHDDには二度と戻れなくなります。
購入したSSDは480GBですが、[now]現在は下の1TBの製品がオススメです。
この記事の内容はWindowsPCでソフトウェアを使ってSSDを交換する場合で、既存のドライブから中身を丸ごとコピー(ディスククローン)する方法です。ノートPCあるいは一体型PC場合や、PCケースを開けての作業が面倒な方は、下の外付けスタンドを使って作業を行うのがオススメです。
準備するもの(ハード)
ハードウェアで必要なものをリストアップします。あとで足りない!と後悔しないように必要に応じて準備してください。
- SSD本体
- シリアルATAケーブル:元の場所と別に設置する場合は必要
- マウントキット:ケーブル同様、別の場所に設置する場合は必要
- 外付けスタンド:ノートPCなど1台しかドライブが設置できない場合は必要
準備するもの(ソフト)
SSD交換に必要なソフトウェアをダウンロードしてインストールしておきます。
- ディスククローンツール(EaseUS Todo Backup Free)
- フォーマットツール(I-O DATA ハードディスクフォーマッタ)
- パーティションツール(AOMEI Partition Assistant Standard)
交換方法
ハード、ソフトともに準備できたら、実際に交換作業に入ります。
手順0.SSDをPCに接続
PCの電源を切った状態で、ケースを開けて新しいSSDをPCに接続します。背面部分のコネクタにシリアルATAケーブルと電源ケーブルを接続します。まずは、シリアルATAケーブルをマザーボードのシリアルATAポートに接続します。ポートの場所は既に接続されているドライブからシリアルATAケーブルをたどっていくと見つかります。うちの場合はこんな感じです。DELL製なんですがケーブルの取り回しがキツいので、一時的に作業する間だけこの状態で我慢。接続が終わったらPCを立ち上げます。
スタンドを使う場合は、Source(手前のスロット)にHDD、Target(奥のスロット)にSSDを挿してから、USBをPCに、電源をコンセントに接続してから背面にあるスイッチを入れます。
手順1.OSが入ったドライブのパーティション形式を確認
PCを立ち上げたら、EaseUS Todo Backup Freeを開いて、OCが入ったドライブ(ハードディスク0)のパーティション形式を確認します。MBRとGPTの2つの形式がありますので、確認して覚えておきましょう。
フォーマットが確認できれば何でも構わないのですが、せっかくなので予行演習も兼ねて”クローン”を選択します。
左にあるチェックボックスの後に書いてある項目を確認します。ハードディスクの番号(容量、パーティション種別、パーティション形式)となっていますので、カッコの3番目の項目を確認します。写真の場合は、一番上の”ハードディスク0″がOSの入っている128GBのSSDです。容量でもドライブが間違いないことを確認しつつ、パーティションの形式を確認すると”GPT”でしたので、以降パーティション形式はGPTとして進めます。
手順2.新しいSSDをフォーマット
接続した新しいSSDが認識されていない場合や、フォーマットの形式が異っている場合があるので、念のためフォーマットします。ただし、手順1で”ハードディスクxx”としてきちんと認識されていて、フォーマットが同じ場合はこの手順は飛ばして構いません。I-O DATA ハードディスクフォーマッタを開いて、新しいSSDを選択します。
選択できたら次へ進みます。
フォーマット形式は”NTFS”のままで、パーティション形式は手順1で確認したものを選択します。写真ではGPTですが、手順1でMBRだった場合は”MBR”を選択して次へ進んでください。
先ほど選択した設定を確認し、”実行”をクリックします。
問題がなければ”注意事項に同意します”をチェックして、フォーマットを開始します。
上の画面が出てフォーマットが終わったら、”完了”をクリックして閉じます。これでディスククローンの準備ができました。
手順3.ディスククローン(ドライブ丸ごとコピー)を実行
準備が整ったので、いよいよディスククローン(ドライブ丸ごとコピー)を実行します。EaseUS Todo Backup Freeを再び立ちあげて、”クローン”を選択します。
ソース(コピー元となるドライブ)を選択します。通常は”ハードディスク0″をチェックします。念のため容量やCドライブ(OS:C)があることを確認してください。※写真は実行後に撮ったものなのでIドライブになっていますが、気にしないでください。
次へ進んだら、ターゲット(コピー先のドライブ)となる新しいSSDを選択します。通常は”ハードディスク1″だと思いますが、SSDやHDDを増設している場合は容量などを確認して間違えないように気をつけてください。
ターゲットをチェックしたら、画面下の”SSDに最適化”をチェックして次へ進みます。
ソース(コピー元)とターゲット(コピー先)のドライブに間違いがなければ、実行をクリックしてディスククローンを開始します。※またしても実際のスクリーンショットを撮り忘れてしまいましたので、容量などが実際と異なっています…申し訳ありません。
今回は110GBくらいのデータでしたが、1時間弱でディスククローンが正常に終わりました。
これで新しいSSDにOSごとデータがコピーされました。ここで一旦PCの電源を切ります。
手順4.他のドライブを外して、新しいSSDでPCを起動
電源が完全に切れていることを確認して、ケースを開きます。この手順のポイントは2つです。
ポイント1:新しいSSD以外のドライブのケーブルを一度すべて外す。
ポイント2:CドライブだったSSDおよびHDDから外したシリアルATAケーブルを、新しいSSDに接続する。
こうすることで、確実に新しいSSDからOSが起動します。ケーブルを外したり付け替えたりするだけですので、それほど大変ではないと思います。
今回はシリアルATAケーブルをそれぞれ、OSの入っていた128GBのSSD(赤)は付け替え、データ用のHDD(黃)は外して起動しました。新しいSSDだけ接続された状態で電源を入れて、無事にPCが立ち上がれば交換は成功です。外したドライブを元に戻して、新しいSSDもきちんとマウントし直します。ただし、今回は元のSSDより容量が大きいSSDに交換したため、Cドライブの容量が小さいままになっているので、次の手順でパーティションを結合して容量をフルに使えるようにします。
手順5.パーティションのマージ(結合)
AOMEI Partition Assistant Standardを立ちあげて、①ディスク1の”C:OS”を選択し、②”パーティションのマージ”を選択します。
“結合”という単語が”マージ”に変わっただけで、やり方は同じです。
次に、”未割り当て”をチェックし、上の”C:OS”にもチェックされていることを確認して、問題がなければ”確認”をクリックします。
“実行”をクリックしてパーティションの結合を開始します。
処理が始まると、何回か再起動を行うので待ちましょう。再起動中にパーティション結合の処理が行われ、進行状況が表示されます。処理が終了し、1分ほど待っているともう1度再起動します。
PCが正常に立ち上がり、PC→デバイスとドライブの項目で、Cドライブの容量が増えて新しいSSDの容量と近くなっていれば完了です。
あとがき
この記事を書こうと思ったのは、実は何度も失敗して半日ほどムダにしたからです。フォーマットの際にパーティションの形式を間違えていたり、ディスククローンのソースにドライブ全体ではなくCドライブだけを選んだり、ディスククローンを行なった元のHDDと古いSSD(HDD→旧SSD→新SSDの順でクローンを行ったので全部OS入り)をつないだまま起動したり、あらゆる作業でつまづきました。その後、Windows10にアップデートして問題なく動作しています。
SSDの価格が下がるまでギリギリのタイミングまで待ってアップデートを行ってなんとか間に合いました。そんなわけで、他の方が同じ失敗をして時間をムダにしないようにと思い、次にやるときの備忘録を兼ねてまとめましたので、お役に立てば嬉しいです。
また、HDDからSSDに交換すると、「はじめに」でも書きましたが起動する時間や読み書きの時間が短縮されて高速になり、古いPCも復活します。この記事を参考にぜひチャレンジしてみてください。
コメント
はじめまして、こんにちは。
SSDの交換を検討しています。
こちらの記事を参考にさせていただき、進めていこうと思っています。
PCは手作りするほど詳しくはないため、教えていただきたいことがありコメントさせていただきました。
1)PCはセブンで、ハードディスクは、標準搭載:①SSD 80GB ②ハードディスク1TB
2台のディスクが搭載されており、購入店舗(現在はかなり遠方で、現居住地に営業所なし)に聞いたところ「Serial ATA(SATA)」タイプのハードディスクが接続可能とのことでした。
ただ、「規格が合っている商品でも動作保証がない為、こちらから商品名を指定したご案内が出来ません」ということで、、、いったいどのメーカーの製品なら大抵問題ないでしょうか?
すみませんが、アドバイスいただけましたらとてもうれしいです。
よろしくお願いいたしますm(__)m
ふじたさん、コメントありがとうございます。
基本的にSATAの製品であれば、どんなものでも接続可能だと思います。
うちの場合もOSはWindows10ですが、SSD 120GB + HDD 1TBとふじたさんと同じ構成から、SSDを480GBに交換しています。
ただ、基準としてコスパ重視か信頼性重視かでメーカーを選択すると良いと思います。
コスパ重視の場合は記事で挙げているCrucialやA-DATA、信頼性重視の場合はSamsungやIntelを選べば良いでしょう。
ちなみにSSDを交換して1年近く経ちますが、Crucial製で何の問題もなく動作していますのでご参考まで。