先日のコーチング勉強会で、参加者の方から「コーチングセッションを進める中で、終盤で行動などにどう着地させれば良いかわからない」というご質問を頂きました。
この記事ではコーチングセッションを着地させるためのタイミングとサインを整理した上で、実際に着地する方法について説明します。
1.タイミングについて
まずは着地のタイミングについて説明します。
1-1.思考と感情が両方GOになったとき
コーチングで着地に向けて舵を切るのは、基本的に行動に移す準備ができたタイミングです。
このタイミングをどうやって見極めるかが重要ですが、まず前提として、何かを思い立ってから実際の行動に移せるようになるのは「思考と感情がともにGOサインを出している場合」です。また行動できない状態として、コーチングでは次の2つの場合が考えられます。
- どうしたら良いかわからないけど、何か行動したい
(思考NG・感情GO) - 頭ではどうしたら良いかわかっているけど、気持ちが追いつかない
(思考GO・感情NG)
したがって繰り返しになりますが「思考GO・感情GO」になったときが、着地のタイミングとなります。思考NG・感情NGの組み合わせもありますが、基本的にコーチングを行う中でどちらかはGOになるはずなので、ここでは扱いません。
1-2.時間切れ
着地するタイミングはもう1つあり、テーマが根深いもので1度のコーチングでは解決に至らない場合など、思考または感情がNGのまま時間切れになった場合です。この場合は、テーマについて考えて頂くなど、設問を宿題として決めて終わると良いでしょう。
2.サインは感情
1-1項の思考と感情の2つの状態で1番目の「思考NG・感情GO」の場合は「どうしたら良いか?」という質問などで答えが見つかる場合がほとんどですが、実際には2番目の「思考GO・感情NG」の場合が多いです。また1番目でも答えあるいはヒントが見つかった場合、感情が表に出やすくなります。
したがって、着地のサインとして感情に注意します。次にサインの具体例を示します。
2-1.感嘆の声
発見や気づきのサインとして、感嘆の声を発する場合が多いです。
- あっ!
- おお!
- ああ~!
- うわ~!
- ユニバース!
2-2.発見・気づきの言葉
何かを見つけたときや、気づいたときの言葉です。
- 来た!
- 出た!
- これだ!
- 分かった!
- デカルチャー!
2-3.納得・腹落ちの言葉
出した答えやヒントに対して、納得したり腹落ちした場合の言葉です。思考GOになった場合に多いです。
- わかりました
- 納得いきました
- 腹落ちしました
- こういうことだったんですね
- 完全に理解したッ!
3.具体的な行動を決める
クライアントから上のようなサインが出たら、想いを具体的な行動に移すアプローチを行います。ここでは行動を決めるところから、コーチングを締めくくるまでのアプローチを説明します。
3-1.確認
クライアントが行動に移せる確信のない場合は、具体的な行動を決めて良いか確認します。確信がある場合はここを省いて構いません。
- 気持ちが上がってきたと思うので、行動を決めていきたいと思いますがよろしいでしょうか?
- 納得感が出てきたと思うので、具体的な行動に移す方向でよろしいでしょうか?
- もういけそうなので行動を決めていきましょうか?
3-2.具体的な行動を決めるアプローチ
完全にGOサインが出た状態になったら、具体的な行動を決めるアプローチを行います。
- これから具体的に何をどうしますか?
- 一番小さな最初の一歩は何ですか?
- 実行可能な一番簡単な行動は何ですか?
- 〇〇をするのはどうですか?(提案)
3-3.いつやるか、どう確認するか決める
行動が決まったら、それをいつやるか、行動したかどうかの確認方法を決めます。
いつやるか
- いつやりますか?
- いつまでにやりますか?
行動の確認
- 結果を次回のコーチングで確認させて頂きたいと思いますがよろしいでしょうか?
- やってみてどうだったかメールでご連絡頂いてもよろしいでしょうか?
3-4.コーチングを締めくくる
ここまででコーチングは完了しているので、コーチングを締めくくります。
- 以上でコーチングを終わりますがよろしいでしょうか?
- こんな感じでよろしいでしょうか?(返事→)次回はいつにしましょうか?
まとめ
コーチングセッションで行動に移すタイミングとサインについて整理して、実際の方法として行動を決めるアプローチやコーチングの締めくくりまで説明しました。
例外として時間切れがありますが、設問によって次につなげれば良いでしょう。
この記事を参考にしてコーチングに活用して頂ければと思います。
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