傾聴のレベル3段階

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傾聴とは、コーチングの土台となる重要なスキルです。
簡単に説明すると、自分のことは置いておいて、相手に焦点を合わせ、五感をフルに使って相手の話を聴くことです。

傾聴には、あまりよく聴けていないレベル1から、とてもよく聴けているレベル3まで3段階あると「コーチングバイブル(CTIジャパン刊)」では紹介されています。

私はCTIジャパンのワークショップを受講しているので、とても馴染み深いものなのですが、CTI以外の団体や他の書籍でコーチングに触れられた方にも理解して頂けるように、ポイントを整理しながら2005年から現在までの体験を交えて紹介したいと思います。

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レベル1:内的傾聴

コーチングを行う相手ではなく、自分に焦点が当たっている段階です。
はっきり言って傾聴とは言えない段階ですが、わかりやすく区別するために傾聴ということになっているようです。
簡単に言うと、何か考え事をしているときがレベル1の状態です。

この状態でコーチングを行うと、自分の考えや判断にとらわれたり、相手を分析することが多くなります。
相手を何とかしようとするあまり、相手自身ではなく問題に焦点が当たったり、解決策を押し付けたりといったことも起こり、アプローチも誘導的になりやすいです。
「こうしたほうがいい」「私もそう思います」「そうですよね」という言葉が出るときは注意が必要です。

自分の考えにこだわってしまいがちなので、クローズドクエスチョン(はい、いいえで答えられる限定的な質問)も多くなります。「次の質問をどうしよう」と考えてしまうのもレベル1ですね。

このようなときにどうしたら良いかというと、考え事や分析を行っていること、相手を何とかしようとしていることに気づくことが大事です。
気づいたらすぐに相手に意識を集中して立て直します。

逆に、コーチングを受けるクライアントは自分自身に集中するレベル1の状態が好ましいです。

レベル2:集中的傾聴

相手に焦点を当てて集中している状態がレベル2です。
ここからが本来の傾聴と言えるでしょう。
レベル2では言葉だけでなく声の調子や、間の取り方なども意識して、感情の変化など相手に起こっていることをとらえます。

この状態になると、興味や関心、好奇心を持って聴くことができるので、自然に拡大質問反映承認・認知といったスキルを使うことができます。
経験から言うと、使うというより相手に集中していると自然と質問などが出てくるといった感じです。

意識せずに出てくるようになるまでには、ある程度の訓練が必要です。

レベル2の傾聴によって、コーチングを行う側と受ける側がお互いに共感しあって協力する関係(協働関係)が生まれ、コーチングがきちんと効果を発揮します。

レベル3:全方位的傾聴

自分と相手だけでなく、周囲にも気を配って感じ取ることができる状態です。
明るさや気温、雰囲気など周りの環境の影響にもそれとなく注意を払えるような状態と言えます。

俳優や芸人の方など、人の前で演じる職業の人は自然と身についていると言われますが、「場の空気を読む」という感覚に似ています。他には、武道などで目のつけどころとして言われる「見るともなく見る」といった感じでしょうか。

実際には、コーチングに完全に集中できていると感覚が研ぎ澄まされて、相手だけでなく周りのことも何となくとわかる感じがします。

レベル3になると、相手が高揚していたり、固くなっているなどのエネルギーや持っている雰囲気を感じ取れます。
また、直感が働きやすくなり、コーチングがより力強くなります。
具体的にはエネルギーの変化に気づいて反映を行ったり、直感的にここぞというタイミングで提案を思いつくといったことがあります。

このように傾聴には3段階のレベルがあるとされていますが、通常はレベル2とレベル3の間を行ったり来たりして相手の話を聴き、コーチングを行います。
レベル1になってしまう場合には、先ほども書いたように気づいたら相手に集中し直します。

傾聴に慣れていないうちは、相手に集中できているか、レベル1になっていないか、自分の考えにとらわれていないかどうかなどを意識しながら話を聴くと良いでしょう。

自分がどんな状態で傾聴しているかを3段階のレベルで確認すると、きちんと傾聴できているかわかりやすくなるので、意識してみてはいかがでしょうか。

 

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