Kindle Unlimitedで久しぶりにアドラー心理学の本を読んだので、読んだ本と関連書籍を紹介します。
今回読んだ本は、「まんがで身につくアドラー 明日を変える心理学―――誰でも3日で変われる。」です。
全部で7章あり、章ごとに違う悩みを持った主人公が入れ替わり、アドラー心理学を熟知した喫茶店「ウィーン」のマスターに相談する形で話が進みます。
内容としては、各章でライフタスクや課題の分離など、アドラー心理学のトピックを1つづつ扱います。巻末には各章ごとの解説があり、理解を深めることができます。
漫画なので読みやすく、エピソードも現実に即しているので、アドラー心理学の基本的な概念を学ぶ最初の一歩としては十分だと思います。
蛇足の考察
本筋とは関係ないのでどうでもいいところですが、気になったことがあります。それは作中にこの本自体が何度も登場することです。どういうことかというと、漫画が描き上がらないと(=ストーリーが完結しないと)完成しないはずの本が、なぜか作中に登場しています。
さらに、最終章にマスターとその師匠とも言えるマスターの伯父が登場しますが、2人とも2016年に出版されるこの本でアドラー心理学を学んだようで、回想シーンによると35年前にはこの本に出会っています。
つまり、この本は映画「2001年宇宙の旅」のモノリスのように、時空を超えて存在する恐るべきものなのです。他の例を挙げると「仮面ライダーカブト」のハイパーゼクターと同じく、未来からやってくる超絶アイテムということです。
本命の勇気二部作もオススメ!
この本を読んで、アドラー心理学についてもっと深く知りたい!という方にオススメしたいのが、近年のアドラー心理学ブームを牽引する「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」です。
悩める若者の「青年」がアドラー心理学の熟達者である「哲人」と対話して、アドラー心理学について学び、実践を試みるという内容ですが、かなり詳細に解説されています。
対話形式で話が進みますが、青年のキャラが激しいのでかなり気になるところです。「嫌われる勇気」でもかなり激しいのですが、「幸せになる勇気」になると、さらにパワーアップして狂ったように哲人を罵倒します。ある友人は、話題の本だったので読んでみたものの、2人の掛け合いが気になりすぎて内容が頭に入らないと言っていました。
内容自体は面白く学びになり、自信を持ってオススメします。また、課題の分離や目的論などの概念を知っているとコーチングが捗るので、度々クライアントの方に紹介しています。
愛するということ
勇気二部作まで読まれた方には、書籍内で触れられているエーリッヒ・フロムの「愛するということ」もオススメします。
産業革命を経て、資本主義と自由恋愛が主流になりつつある時代に、昔から結婚とは知らない相手同士が結びついて互いに愛を作っていくもの、つまり「愛とは技術である」ということを説いた本です。
アドラー心理学の中では、3つのライフタスクにおける「愛のタスク」の増補版とも言うべき内容です。
まとめ
「まんがで身につくアドラー」は漫画なので読みやすく、キーワードと簡単な説明のみであっさりしていて、初心者の入門用としても、勇気二部作を読んだ後にアドラー心理学を思い出すためのまとめとしても使えます。
この本が初めての方は、次に「嫌われる勇気」を読んでより理解を深めることをオススメします。さらによく知りたい方は「幸せになる勇気」を読んで「愛するということ」に進むと良いでしょう。
知らない方も復習したい方も、この機会にアドラー心理学の本を読んでみてはいかがでしょうか。
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