文明が強制リセットされた世界で、科学マニアの主人公がゼロから文明復活に挑む漫画「Dr.STONE」が超絶に面白い!!

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昨年カードゲーム制作の打ち合わせで、ちょくちょく会っていた友人からオススメされていた漫画「Dr.STONE」をKindle本を購入して読んでみました。

結論から言うと、最高オブ最高でした。最近ちょうど「もしも、すべての道具がなくなって人間のみ残されたら、ここまでの文明を何年で取り戻せるだろう」という文明リセットからの復活について考えていたところなので、これを読みたかった!!というまさに渡りに船の漫画でした。

7月からアニメも放映されるようですが、この記事ではDr.STONEの面白さについて紹介します。

1.謎の石化現象による文明リセット

主人公の石神千空は科学マニアの高校生で、同級生の大樹とバカなやり取りをする日常を過ごしていました。ところが突然、謎の光にさらされ、千空や大樹はもちろん、地球上の人類の全身が石化してしまいます。

長い年月が経ってなんとか大樹と千空は石化から開放されますが、なんと3700年後だったのです。そこで千空の知識と、大樹の体力でリセットされた文明をゼロから復活させるのがスタート地点です。

2.3700年という時間経過と石化が文明リセットを可能に

Dr.STONEの面白い点は、3700年という時間を経ることで、道具あるいは機器がすべて経年劣化で使用不能なことです。

身近な例として紙について調べてみましたが、耐用年数が洋紙は数百年、和紙は千年以上だそうで、3700年経過後はボロボロで使えないだろうということです。つまり、PCやネットなどはもちろん、本も使用不可ということで、生存者の脳内にある知識のみで対処する必要性が出てきます。

ビルなどの構造物もコンクリート自体は結構もつようですが、中の鉄筋が錆びて劣化するのでもって数百年くらいのようです。ただし、ローマのコロッセオなどに使われているローマン・コンクリートの構造物は、鉄筋が入っていないため、現存していることで分かるように数千年耐えられるみたいです。

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要するに3700年という年月が、文明をリセットする舞台装置として上手に作用しているということです。また、すべての人間が石化することによって、他の人間(科学者や技術者、職人等)の助けを借りることなく、主人公たちが自ら行動して文明を取り戻していくしかないようになっています。

3.物質の発見および合成からのツール製作

石化から3700年経っているので、プラスチックや金属、薬品(化学物質)などは劣化していて使えません。したがって、道具や機械の製作も、必要な物質の発見と合成からのスタートです。

硝酸に始まって、炭酸カルシウムやアルコールなど、少しづつ使えるものが増えていくことで、文明を徐々に取り戻していきます。中には偶然そこにある?という物質もあったりしますが、そこは文明を進める上で必要なのである程度仕方ないでしょう。

ちなみに、アルコールが必要になってワインを作る話が出てきますが、ブドウは皮にアルコール醸造に必要な酵母が付着していて、潰して放置するだけで発酵してワインになります。また、醸造過程で他の雑菌が勝手に死滅するので、かなり簡単に作ることができます。ただし、酒造免許のない場合は酒造法違反になりますので絶対やらないでください。

4.サバイバル要素もアリ

科学による文明の復活がメインテーマなので、さらっと流す程度ですが、キノコの選別や燻製作りなどサバイバルの要素もあります。

石器をナイフやハンマーとして使用したり、土器は説明はないものの当たり前のように作っていて、アルコール度数を高める蒸留器も現代では金属製ですが、メソポタミア文明で行われていたように土器で作ってしまいます。

2巻のZ=12・13では、1巻では触れられていなかった千空復活時のゼロから生活を築いていくエピソードが収録されていて、サバイバル要素満載で非常に面白いです。

5.原初の人間社会形成についても描かれる

文明がなくなった状況、いわば原初の人間社会に起こりうる問題についても描かれています。具体的には、行きがかり上ある人物を復活させたことで、意見の対立が起こり、争いが発生します。

人類がほとんどいなくなってしまえば、当然軍隊や警察などの治安を維持する組織がなくなり、法による秩序も崩壊するため、この点についてもゼロからスタートすることになります。そうなると、対立の決着をつける最終手段は武力による戦いになるわけですが、対立者が現代人同士なのと、それぞれの信条によって、できるだけ排除(殺すこと)を回避したい意思があるので、現代における外交さながらの駆け引きが重要になってきます。この駆け引きのスリリングな成り行きが見どころです。

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6.千空はクールだけどいい奴

ジャンプ作品なので当然といえば当然ですが、主人公の千空は一見クールだけど、人の気持ちを汲めて、友人や仲間を見捨てない「いい奴」です。人類全員を助けるという信条なので、取捨選択を迫られる場面で常に人間的な選択をします。

これはすべてにおいて科学的かつ論理的、つまり合理的に選択をしてしまうと、血も涙もないクソ野郎になってしまう恐れがあるので、少年誌での掲載という都合上必要な設定だったのでしょう。個人的に主人公がクソ野郎でも、それはそれで読んでみたい気もしますけど。

この千空の性格のおかげで、より困難な道を辿ることになりますが、ストーリーの盛り上がりが半端じゃないのと、困難に打ち勝ったときの達成感や満足感がより一層引き立つとともに、人間ドラマとしても見どころが多い作品になっています。

ちなみに、千空の服に書かれている\(E=mc^2\)という式は、ご存知の方には説明するまでもありませんが、アインシュタインの相対性理論の式です。

7.石化の謎

仮説を立て、そこからトライアンドエラーを繰り返しすことで、つまり科学的に、石化を解除する方法を探っていきます。

また、そもそも石化はなぜ起きたのか、人間とツバメだけ石化したのか、石化解除時の修復能力など、石化については謎があります。石化については千空が考えを巡らせる場面もありますが、物語が進むにつれて謎について明らかになってくると思います。

8.まとめ

ここまで、Dr.STONEの面白い点について挙げてみました。文明リセットされた世界で、様々なものをゼロから作り上げていくサバイバル生活にワクワクします。

主人公の千空は登場人物でありながら科学知識のアーカイブ(倉庫)としても機能しているので、千空がいなくなったらアウトという危うい状況の中で、様々な危機を乗り越えて、少しづつ文明を取り戻していく過程が最高に面白いです。

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9.参考文献一覧

巻末に掲載されている、参考文献の一覧です。文明についてはもちろん、サバイバルの本が多いですね。一番上の本は興味深いので読んでみようと思います。

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