コーチング資料集
コーチングの実践に役立つ資料集です。タイトルをタップすると本文が表示されます。
コーチングでのタイプ分けについて
コーチングでクライアントを4つのタイプ(コントローラー・プロモーター・アナライザー・サポーター)に分けて対応する方法があります。書籍「新 コーチングが人を活かす」にも4タイプの活用を紹介していますが、私は4タイプに分けるやり方をあまりオススメしません。
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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理由はいくつかありますが、まず第一に世の中には多種多様な価値観や資質を持つ人たちがいるため、人をたった4つのタイプで分類すること自体が不可能だと考えています。もし仮に分類する場合はコントローラー○%・プロモーター○%・アナライザー○%・サポーター○%といったように、成分表示というか傾向を大まかに数値化するくらいしかできないのではないでしょうか。つまり、4タイプに分ける精度がそれほど当てにならないと考えています。
また、タイプ分けの際クライアントを4つのタイプのどれかであろうと分析および判断することになりますが、コーチングではクライアントについて分析や判断を行わないスタンスが基本です。
タイプに当てはめるのはクライアントに対して分析と判断による決めつけを行うことになり、「○タイプだから○○だろう」といった先入観を持ってコーチングを行うことになるため、あまり好ましくありません。コーチングでは、クライアントのありのままの姿を受け入れて話を聴くことが重要ですが、タイプ分けによって先入観というフィルターができてしまい、ありのまま受け入れることが難しくなってしまうと考えます。
仮に4タイプに分類できたとしても、あなたが思ったタイプと実際のクライアントのタイプが外れていたら、話が噛み合わなくなるためコーチングはかなりギクシャクしたものになるでしょう。例えば「〇〇さんはプロデューサータイプだと思いますが、いかがですか?」と聴いた場合に「イヤ、分析するのが好きなのでアナライザーだと思います」などとなったら目も当てられません。
以上のことから私はタイプ分けを行いませんが、クライアントがどんな人なのかは傾聴や質問などを適切に行って話を聴いていれば簡単にわかります。むしろタイプを分析するよりも話を聴いたほうが圧倒的にシンプルかつ楽なので、必要性を感じていません。
したがって、経験則ですがわざわざタイプを分析するためにリソースを割くなら、傾聴や質問などのアプローチに集中したほうがコーチングはうまくいきます。特にコーチング初学者の方はタイプの分析に気を取られて、傾聴や質問などがおろそかになりやすく、それでは本末転倒なのでクライアントの話を聴くことに集中したほうが良いと思います。
それでも4つのタイプを活用したい場合は、上に述べたことを念頭において、まずは傾聴や質問など、コーチングの基本的なアプローチをしっかり行い、余裕がある場合はタイプ分けを参考程度に使うくらいのスタンスで良いのではないでしょうか。
コーチングでは、あなたとともに今ここにいるクライアントに全力で集中して頂きたいと思います。
コーチングを着地させるタイミングおよびサインと方法
先日のコーチング勉強会で、参加者の方から「コーチングセッションを進める中で、終盤で行動などにどう着地させれば良いかわからない」というご質問を頂きました。
この記事ではコーチングセッションを着地させるためのタイミングとサインを整理した上で、実際に着地する方法について説明します。
1.タイミングについて
まずは着地のタイミングについて説明します。
1-1.思考と感情が両方GOになったとき
コーチングで着地に向けて舵を切るのは、基本的に行動に移す準備ができたタイミングです。
このタイミングをどうやって見極めるかが重要ですが、まず前提として、何かを思い立ってから実際の行動に移せるようになるのは「思考と感情がともにGOサインを出している場合」です。また行動できない状態として、コーチングでは次の2つの場合が考えられます。
- どうしたら良いかわからないけど、何か行動したい
(思考NG・感情GO)
- 頭ではどうしたら良いかわかっているけど、気持ちが追いつかない
(思考GO・感情NG)
したがって繰り返しになりますが「思考GO・感情GO」になったときが、着地のタイミングとなります。思考NG・感情NGの組み合わせもありますが、基本的にコーチングを行う中でどちらかはGOになるはずなので、ここでは扱いません。
1-2.時間切れ
着地するタイミングはもう1つあり、テーマが根深いもので1度のコーチングでは解決に至らない場合など、思考または感情がNGのまま時間切れになった場合です。この場合は、テーマについて考えて頂くなど、設問を宿題として決めて終わると良いでしょう。
2.サインは感情
1-1項の思考と感情の2つの状態で1番目の「思考NG・感情GO」の場合は「どうしたら良いか?」という質問などで答えが見つかる場合がほとんどですが、実際には2番目の「思考GO・感情NG」の場合が多いです。また1番目でも答えあるいはヒントが見つかった場合、感情が表に出やすくなります。
したがって、着地のサインとして感情に注意します。次にサインの具体例を示します。
2-1.感嘆の声
発見や気づきのサインとして、感嘆の声を発する場合が多いです。
2-2.発見・気づきの言葉
何かを見つけたときや、気づいたときの言葉です。
- 来た!
- 出た!
- これだ!
- 分かった!
- デカルチャー!
2-3.納得・腹落ちの言葉
出した答えやヒントに対して、納得したり腹落ちした場合の言葉です。思考GOになった場合に多いです。
- わかりました
- 納得いきました
- 腹落ちしました
- こういうことだったんですね
- 完全に理解したッ!
感嘆や発見・気づきではテンションが上がったり、納得・腹落ちの場合は声が落ち着いた感じになったりするので、こちらも注意して傾聴してください。
3.具体的な行動を決める
クライアントから上のようなサインが出たら、想いを具体的な行動に移すアプローチを行います。ここでは行動を決めるところから、コーチングを締めくくるまでのアプローチを説明します。
3-1.確認
クライアントが行動に移せる確信のない場合は、具体的な行動を決めて良いか確認します。確信がある場合はここを省いて構いません。
- 気持ちが上がってきたと思うので、行動を決めていきたいと思いますがよろしいでしょうか?
- 納得感が出てきたと思うので、具体的な行動に移す方向でよろしいでしょうか?
- もういけそうなので行動を決めていきましょうか?
3-2.具体的な行動を決めるアプローチ
完全にGOサインが出た状態になったら、具体的な行動を決めるアプローチを行います。
- これから具体的に何をどうしますか?
- 一番小さな最初の一歩は何ですか?
- 実行可能な一番簡単な行動は何ですか?
- 〇〇をするのはどうですか?(提案)
3-3.いつやるか、どう確認するか決める
行動が決まったら、それをいつやるか、行動したかどうかの確認方法を決めます。
いつやるか
行動の確認
- 結果を次回のコーチングで確認させて頂きたいと思いますがよろしいでしょうか?
- やってみてどうだったかメールでご連絡頂いてもよろしいでしょうか?
3-4.コーチングを締めくくる
ここまででコーチングは完了しているので、コーチングを締めくくります。
- 以上でコーチングを終わりますがよろしいでしょうか?
- こんな感じでよろしいでしょうか?(返事→)次回はいつにしましょうか?
まとめ
コーチングセッションで行動に移すタイミングとサインについて整理して、実際の方法として行動を決めるアプローチやコーチングの締めくくりまで説明しました。
例外として時間切れがありますが、設問によって次につなげれば良いでしょう。
この記事を参考にしてコーチングに活用して頂ければと思います。
コーチングでの沈黙について
コーチングを行っていて、質問を投げかけたときにクライアントからすぐ答えが出ずに沈黙が続くことがあります。慣れていない場合はコーチングで起こる沈黙に対して、どうして良いかわからないのではないでしょうか。
この記事では、質問の後クライアントが沈黙したときにどうしたら良いか説明します。
結論から言うと答えは簡単で、沈黙してもひたすら待つことです。
沈黙が起こるとコーチングを行う側としては、質問が合っていなかったから変えないといけないのかなど心配になってしまいます。しかし、クライアントは沈黙している間は答えを探している最中なので、このタイミングで質問するとクライアントの思考を遮ってしまい、却って邪魔をすることになります。
さらに言うと、待てないのは「クライアントが答えを持っている」ことを信じ切れてない場合もあるため、そんなときはコーチングの基本を思い出しましょう。
また、本当に答えが出せない場合は「わからない」「思いつかない」といった答えが返ってくるので、その後で質問をすれば問題ありません。
それではどのくらい待てば良いかというと、私の場合は最低でも1分は待つことにしています。時間制限がなければ5分でも10分でも構わないのですが、基本的にコーチングセッションは時間を決めて行うので、沈黙が長すぎる場合は貴重な時間を使うことになるので、1分半~2分沈黙が続いたら質問をします。
沈黙が起きたら基本的にこちらも沈黙します。ただし答えを探す手助けとして、沈黙が10秒ほど続いたら「ゆっくりでも大丈夫です」と焦らずじっくり考えて頂くことをお伝えする場合もあります。
コーチングでは時には沈黙が必要で、恐れずに使いこなせれば強力な武器になります。コーチングで沈黙が訪れた場合はじっと待ってみてください。
コーチングセッション序盤のよくあるミスと対処法
開催しているコーチング勉強会で初心者の方を見ていると、コーチングセッションの序盤でやってしまうミスがありますが、ちょっとしたことに気をつけると回避することができます。
この記事では、セッション序盤で起きるミスと対処法について説明します。
ミスを招く質問とタイミング
実はコーチングセッションの序盤、ゴール設定のタイミングである質問を行うと、失敗しやすくなります。
コーチングの流れについては下の記事を参照してください。
コーチングの流れ
今までスキルやツールについて紹介してきましたが、今回はコーチングで行うセッション(話し合い)の大まかな流れについて説明します。 1.主題(テーマ)を決める まずは、話したい主題を決めてもらいます。 ・お話ししたいことはありますか? ・今日の
ミスしやすい質問の内容は「どうしたいですか?」です。
拡大質問(オープン・クエスチョン)なので、コーチングの質問としては間違っていないと思うかもしれません。どうしてこれがミスなのかというと、行動を聴く質問だからで、使うタイミングを間違えています。この質問を行うタイミングはコーチングの最終盤、具体的な行動を決める場面です。
コーチングでは最終的な目的として具体的な行動を起こすので、序盤でいきなりこの質問が来るとほとんどの場合クライアントは答えることができません。そもそも行動を起こすためにコーチングを受けているはずなので、思考と感情が整理されていない状態、つまりコーチングが進んでいない状態で「どうしたいですか?」と聞かれても答えようがありません。
したがって、クライアントが答えに詰まってしまう状態になり、ここでコーチングが止まってしまうことで、後のアプローチがギクシャクします。
ゴール設定の質問で気をつけること
前項でミスの要因は分かったと思いますので、どうしたら良いかを説明します。
ゴール設定では行動ではなく状態を聴くことによってイメージしやすくなり、様々なアプローチにつなげることができます。ゴールなので、そこを目指せるように見やすくすることが重要です。また、行動は主観的で、状態は客観的なので、客観的なほうが捉えやすくなります。
適切な質問は「どうなったら良いですか?」あるいは「ゴールはどんな状態ですか?」などです。
ゴール設定=状態の質問
「どうしたいですか?」と「どうなったら良いですか?」では、少しの違いしかありませんが、気をつけることによってコーチングがうまくいきやすくなります。
自由の森では、コーチングの習熟やコミュニケーションの向上を目的としたコーチング勉強会を開催しています。
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筋トレで見る習慣化の仕組みづくり
コーチングではクライアントの行動を促すために様々なアプローチを行いますが、行動の習慣化が本質的なゴールと言っても差し支えないほど重要です。また、習慣化を確実なものとする仕組みづくりを行うことで、継続性が高まると考えています。
そこでこの記事では、私の筋トレ再開を実例として、習慣化のための仕組みづくりについて説明します。
経緯を説明すると、昨年11月まで筋トレを継続して行っていましたが、11月から「原神」というゲームにハマって筋トレは一時中断しました。約1ヶ月後の12月にゲームの進行が落ち着いたので、筋トレを再開して現在に至ります。
1.スモールステップで始めて、徐々にステップ大きくする
ここが一番重要ですが、まず最初は、一番簡単かつ実現可能な方法で行動を始め、徐々に量あるいは頻度を増やしていきます。確実に実行できる小さな行動から始めることで、成功体験を積み重ねることができ、継続が容易になります。
私の筋トレの場合、上半身は懸垂マシンを使っての懸垂およびディップスを行っていて、最大12回まで増やすことができていましたが、2ヶ月の中断により筋力とやる気が落ちているため、確実にこなせる各5回から再開しました。
また、無理のないペースで負荷を増やすために、2週間~1ヶ月ごとに1回づつ回数を増やしていきました。7月現在、各12回まで戻すことに成功しました。
スモールステップに関しては書籍「小さな習慣」に詳しいので、興味のある方はお読みください。
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2.毎日決まった時間に行い、強制イベントにする
毎日決まった時間に行動するというのも、かなり効果があります。行動するとやる気がでてくるという研究結果もありますので、行動を自動化するための仕組みとして機能します。
私は16時にアラームをかけて、筋トレを行っています。起床するのと同じく、日常で馴染み深い仕組みを使うことで、強制イベントとして生活に組み込みます。
また、アラームにも仕組みを使っていますので、次の項で説明します。
3.やる気スイッチを入れる
強制イベント化に加えて、やる気になるスイッチを用意して行動しやすくします。具体的には、やる気を引き起こす特定の音楽や言葉、画像などに触れることによって、行動のトリガーにします。
私の場合は16時になると、スマートスピーカーのEchoShow5から映画「ロッキー3」のテーマ曲”Eye of the tiger”が掛かるようにしています。
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「ロッキー」では、各作品に必ずトレーニングのシーンがあり、トレーニングを経て強敵に挑みます。私にはロッキー=トレーニングと刷り込まれているので、”Eye of the tiger”を聴くと気持ちが筋トレモードになります。
したがって、曲を聴くと自動的にやる気スイッチがONになり、足が懸垂マシンに向かいます。蛇足ですが曲の長さが足りないので、スクワットと踵上げのときはアニメ「Gのレコンギスタ」のED曲「Gの閃光」が掛かり、元気がみなぎります。
4.嫌にならないために、安全弁を用意する
習慣化したはいいものの毎日欠かさず行っていると、作業感が増して苦行になってくるので、嫌にならない仕組みとして「サボるルール」を設けます。このような安全弁を用意することで、最悪の事態である「行動をピタッと止めてしまう」ことを防ぎます。
私の場合、筋トレはほぼ毎日行いますが、「オールアウト(全力を出し切ること)禁止」「やる気のない日や16時に外出の予定がある場合は、やらなくて良い」というルールを設けています。ヘトヘトになるまで疲れないから比較的楽なことに加え、1日休んでも継続中の状態は保たれていると認識することで、再開すれば元通りになる安心感が生まれます。
2日連続で休む日もありますが、大体3日目に「サボりすぎてヤバい」と感じて再開します。ここまでくると、やめること自体に勇気がいる状態になっているので、習慣化が定着していると言って良いでしょう。
また、実は中断して再開するのが3回目くらいなので、「中断しても5回から再開すればOK」というルールも筋トレという大きな枠の中に組み込まれています。
まとめ
私の筋トレを例として習慣化の仕組みについて紹介しました。この他の方法として、「周りに宣言する」「人と約束する」などの仕組みがありますので、必要に応じて組み合わせると良いでしょう。
習慣化に関する書籍として、上に挙げた「小さな習慣」の他に「独学大全」もオススメしたいと思います。
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プロが行っているコーチングセッションの導入例
体験コーチングやサンプルセッションなど、呼び方は様々ですが、コーチングセッションにおける最初の1回目は、今後の継続や契約につながる非常に重要な場面です。
導入は重要であるにも関わらず、資格を取って間もない方や書籍や動画などでコーチングを学んだ方は、最初どのように入ってコーチングに進むかについて、わからない場合も多いと思います。
そこでこの記事では、2008年に会社を設立してプロコーチになった私が、2~3年掛けて試行錯誤したコーチングセッションの導入について特別にお伝えします。
1.挨拶と感謝を伝える
まずは、挨拶とコーチングを受けて頂くことに対して感謝を伝えます。
「こんにちは/こんばんは。はじめまして。<名前>と申します。よろしくお願いいたします。本日は体験コーチングをお申し込み頂きありがとうございます。」
2.コーチングについて聴く
挨拶と感謝を述べたら、クライアントの方がコーチングについてどの程度知っているか伺います。これは、コーチングについてどの程度の理解があるかを知ってセッションに活かすためと、これからコーチングを受けることを意識して頂くためです。
「〇〇さんは、コーチングについてどの程度ご存知でいらっしゃいますか?」
「どのようなきっかけでコーチングについて学ばれたんですか?」
ここから既にセッションが始まっているので、しっかり傾聴して、適宜相づちを打つなどしてください。
3.コーチングについて説明する
コーチングについて伺った後は、コーチングについて説明します。どんなクライアントの方でも定型文でOKです。コーチングを学ばれている方や以前受けたことのある方は()部分を追加します。あなたがしっくりくる言い回しで説明しましょう。
「(改めて)コーチングについて簡単にご説明しますと、〇〇さんが答えを持っていらっしゃる前提で、どうしたいか、どうありたいかなどを明確にして、結果として行動に移すお手伝いをいたします。したがって(ご存知の通り)質問が多くなりますので、そういうものだと思ってお話して頂ければと思います。」
コーチングを学ばれている方の場合は、経験的なアドバイスを求めている方もいるので、確認を行います。場合によって省略してもOKです。
「このセッションでは、通常のコーチングに加えて、必要に応じてこちらの経験からアドバイスを差し上げる形で進めてよろしいでしょうか?」
4.守秘義務について説明する
コーチングについて説明したら、守秘義務について説明します。これは、クライアントの方が何でも話せる「安全な場」を作るために重要です。前の説明に続けて説明を行いましょう。
「それともう1点、守秘義務がございますので、内容について口外、公開することはありませんので、安心してお話して頂ければと思います。」
5.コーチングを開始する
コーチングを行う分には導入はこれで充分なので、コーチングを開始します。具体的には、テーマについて伺います。ここからは、お申し込み時にご連絡を頂いた内容を基に臨機応変にいきます。
「ところで早速ですが、本日のテーマは何でしょうか?」
「〇〇がテーマだとご連絡頂いていますが、現在の状況を教えて頂けますか?」
ここから先は、通常のセッションの流れでコーチングを行います。
まとめ
今回は、コーチングセッションの導入についてまとめました。私は実際にこの内容で体験コーチングでの導入を行っていますが、基本的にクライアントの方がお答えする以外の箇所は、太字部分を一気にお話すればOKです。
また、絶対この通りにやらないとダメ!というものではなく、あくまで一例として参考にして頂けたらと思います。上に挙げた内容をベースに場合によっては自己紹介を行うなどアレンジを加えて、あなたらしいオリジナルの形を作ってみてください。
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「新コーチングが人を活かす」は職場や家庭でコーチングを活用したい人にオススメ!
以前から気になっていた「新 コーチングが人を活かす」がKindle Unlimitedの読み放題対象になっていたので読んでみました。
ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,584(2024/11/21 12:34時点)
本書の前身となる「コーチングが人を活かす(未読)」の出版から20年経ち、大幅に改訂した内容になっているようです。
傾聴や質問、オウム返し(反映)など、コーチングの基本的なスキルの説明などをベースに、相手が充分に力を発揮するためのノウハウが盛り込まれています。また、通常触れられないクローズド・クエスチョンの使い方など、中級以上の方にも参考になる点が多いと思います。
「引き出す」という表現を使わないようにしたことや、私も偉そうで気に入らないと思っていた「承認」を原語の「アクノレッジメント」に改められていたり、コーチングの本質により近づいた内容にしようという意気込みが伺えます。私も「引き出す」に違和感を覚えていたので、過去の下のような記事を書きました。
コーチングで引き出す、導くというのに疑問
今回は私がコーチングを行うようになってから、疑問に思っていることについて書きます。 ほとんどの書籍に、コーチングは「人の可能性を引き出す」とか「目標に導く」などと書いてあり、コーチング行っている方のホームページやブログなどでも同じように書い
本書を活用する上での注意点
基本的には良書ですが注意すべき点として、本書はあくまでコーチングを職場や家庭などで活かすための方法論であり、コーチングのプロレベルまでフォローできるとは言えないため、致し方ないことですが厳密にコーチングのスタンスを貫いているわけではないことが挙げられます。
まず、55番目に「個別対応で才能を開花させる」という見出しが見られることです。コーチングはクライアントを尊重するので、意思決定についてコントロールしません。したがって、使役であり上下関係が内在することを示す、〇〇させるという言葉には違和感を覚えます。私なら「才能の開花を支援する」と書きます。コーチングで個別対応は当たり前で、この項は内容もフワッとしているので、著者の本書を充実した内容にしたいという思い(ここは大いに評価したいです)が空回りしている印象です。
また、クライアントを4タイプに分けて対応を変えるというのがコーチ・エィの提供するコーチングの特徴ですが、この点についても注意したほうが良いと考えています。
コーチングでは、主として対人関係上の特徴を切り口に、人をコントローラー、プロモーター、アナライザー、サポーターのつのタイプに分けています。
本書では上の引用のように、コーチングでは一般的に4タイプに分けるような表現で書かれていますが、例えば「コーチング・バイブル」にはこのような記載はありません。したがって、コーチングにおける絶対的な不文律ではないので、使いたい人は使えば良いと思います。
コーチングの入門あるいは組織で活用する目的では有用
前項で注意点を挙げましたが、実際にはコーチングを職場あるいは家庭などで活用したい場面がほとんどだと思いますので、コーチングについての入門用~中級用として、また組織で活用したい方には充分すぎるほど役に立つでしょう。
特に、巻末の「こんな場合はこのスキル 本書活用のガイド」は状況ごとにスキルをまとめてあるので、対人スキルのレファレンスガイドとしても活用できます。
したがって、「新 コーチングが人を活かす」は日常の様々な場面でコーチングを活用できるのでオススメです。
著者の鈴木さんのお人柄か、コーチング本としてはちょっと盛り込みすぎというかおせっかいな感じもありますが、コーチングについてわかりやすく整理されているので、私も入門用としては本書を推していきたいと思います。
ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,584(2024/11/21 12:34時点)
本書を読んで、コーチングを極めたくなった方は下の「コーチング・バイブル」もオススメです。
東洋経済新報社
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価値観を明確にして充実した人生の方針を決める方法
人は生きる上で大切なものとして、誰もが価値観を持っています。そして、価値観に沿って生きることで、充実感や幸福感を得ることができます。
一般論として、成功は大きな収入や社会的地位を得ることと考えられがちですが、大抵は勘違いです。ほとんどの場合、価値観を満たすために収入や社会的地位が必要なのであり、これらは単なる手段でしかありません。
したがって、価値観を見つけて明確にすることは、何を学ぶか、どんな仕事をするかなど、人生を選択するための指標を明確にすることと同じ意味を持つと言えるでしょう。
この記事では、価値観を見つけて明確にし、方針を決める方法を紹介します。価値観については、書籍「コーチング・バイブル」の8章に詳しいのですが、実際のプロセスについて、これまでの経験も踏まえて整理しました。
東洋経済新報社
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1.価値観を見つけて、単語で表現する
まず、価値観を見つけるためのアプローチについて説明します。
下に紹介する4つアプローチで価値観を見つけて単語で表現します。この際、きれいな言葉にこだわることなく、本人にとってしっくり来る単語を見つけます。また、後で整理するので、重複などは気にせずにどんどん出していきます。
1-1.人生で大事にしていること
1番目は、価値観をストレートに見つける方法です。「人生で大事にしていること」についての質問から価値観を見つけます。自分と向き合ったことのある人はスムーズに出やすいですが、ここで出なくても気にすることはありません。
質問の例
- 人生で大事にしていることは何ですか?
- 生きる上で軸にしているのは何ですか?
- 人生でゆずれないものは何ですか?
価値観の例
1-2.充実や幸せを感じる状況
2番目は状況から価値観を見つけるアプローチです。充実しているときや、幸せを感じる状況についてできるだけ具体的に思い出します。出てきた状況から、単語に変換します。
質問の例
- 充実しているときに何をしていますか?
- 幸せを感じるのはどんなときですか?
- 今までの人生で最高の瞬間はいつ、どこで、何をしていましたか?
価値観の例
- 飲み会に参加→場の共有・つながり
- ゲームをしているとき→工夫・成長・達成
1-3.絶対許せないこと
3番目は、価値観の裏側を見るアプローチです。絶対許せないほど強い怒りや失望は、価値観を侵害されている状況で起こります。したがって、許せないことに焦点を当てることで、その裏側にある価値観を見つけることができます。
質問の例
- 絶対許せないことは何ですか?
- 何に強い怒りを感じますか?
- どんなときに失望しますか?
価値観の例
- 列に横入りされる→秩序・協調
- 虐待→公平・平等・博愛
- 面倒なこと→効率
2.価値観を明確にして整理する
価値観を見つけても、大抵の場合は意味やイメージが曖昧なので明確にして、さらに整理します。
2-1.価値観の明確化
価値観を明確にしますが、ここでは「コーチング・バイブル」で示される、単語どうしをスラッシュ”/”でつなげる方法を紹介します。重複やフィットするかどうかは気にせず、思いつくまま言葉をつなげていきます。
また、出た価値観を眺めてみて出し切ってない感じがする場合は、新しく付け加えます。
質問の例
- どんなイメージですか?
- 他の言葉を加えるなら何ですか?
- 眺めてみて思いついたものや足りないものは?
明確化の例
- 自由/フリーダムガンダム/飛び回る/責任と覚悟
- バランス/両端を見る/論理と感情/距離感
- 好奇心/冒険/やりたがり/挑戦
- 場の共有/つながり/交流/面白いこと
- 工夫/クリエイティブ/成長/達成/向上心/考える
- 秩序/協調/尊重される
- 平等/博愛/支援
- 効率/最適化/取捨選択
2-2.価値観の整理
上で出した価値観を整理します。重複や不必要なもの、別の価値観に従属するものなどを吟味して整理します。また、違和感のあるものは、より適切な単語に置き換えます。
整理の例
- 自由/フリーダムガンダム/飛び回る/責任と覚悟
- バランス/両端を見る/グラデーション/選択
- 好奇心/挑戦/やりたがり
- つながり/協働/共有/交換
- 向上心/学習/修行
- クリエイティブ/工夫/最適化
- 尊重/平等/相互扶助
3.価値観に優先順位をつける
上で整理された価値観に優先順位を付けます。大体出た順になりますが、必要に応じて順位を変更して調整します。
優先順位の例
- 自由/フリーダムガンダム/飛び回る/責任と覚悟
- 好奇心/挑戦/やりたがり
- 向上心/学習/修行
- バランス/両端を見る/グラデーション/選択
- クリエイティブ/工夫/最適化
- つながり/協働/共有/交換
- 尊重/平等/相互扶助
以上で、価値観が優先順位を含めて明確になりました。メモを取るなどして、いつでも見られるようにしておきます。また、慣れないうちは、時間を掛けて少しづつ整理しても良いでしょう。
4.価値観ごとに充実度を見て方針を決める
価値観が明確になったら、充実度を見て方針を決めます。
4-1.価値観の充実度を見る
明確になった価値観ごとに充実度を見ることで、どれだけ価値観を大事にしているか、逆にないがしろになっているかを洗い出します。
具体的には10点満点で、現状と理想の点数を出して、どうなったら良いか、どうしたいかなどを見ていきます。
充実度の例
価値観ごとの充実度を、現状と理想について点数を出すと下の表のようになります。
価値観 |
現状 |
理想 |
1.自由/フリーダムガンダム/飛び回る/責任と覚悟 |
8 |
9 |
2.好奇心/挑戦/やりたがり |
7 |
9 |
3.向上心/学習/修行 |
7 |
9 |
4.バランス/両端を見る/グラデーション/選択 |
8 |
8 |
5.クリエイティブ/工夫/最適化 |
5 |
8 |
6.つながり/協働/共有/交換 |
4 |
8 |
7.尊重/平等/相互扶助 |
4 |
8 |
4-2.今後の方針を決める
価値観ごとの充実度から、今後の指針を決めます。現状と理想のギャップなどから、充実度を上げるためにどうしたら良いかなどを決めていきます。また、指針が決まったら、具体的な行動に落とし込みます。
質問の例
- 気になるのはどの価値観ですか?
- どうなると充実しますか?
- 具体的にできることは何ですか?
方針の例
上の表から、下位の価値観(5~7番目)の充実度が軒並み低いことが可視化されたので、これらを充実させることを指針にしました。
具体的には、5.Webサイトの見直しやブログ記事の充実、SNSの活用、6.オンラインイベント(飲み会・交流会)の開催および参加、7.外注など助力を求める、などを行っていくことを決めました。
5.必要に応じてアップデート
価値観は必要に応じてアップデートします。アップデートが必要な理由は、出会い・別れ・病気・事故・災害など、重大な出来事によって価値観が大きく変わる可能性があるからです。例えば2011年の東日本大震災では、私もそうですが多くの人の価値観が変わったのではないかと思います。
大きな変化がない場合でも、価値観が徐々に変わっていくこともあるので、3年~5年ほどで価値観の見直しを行うと良いでしょう。
6.まとめ
価値観の見つけて明確にする方法、明確にした価値観から方針を決める方法について紹介しました。
今回の例では比較的小さなテーマを扱いましたが、価値観が明確になると、進路や職業など、人生を左右するより大きなテーマについても価値観に沿って決めることができます。また、現状の不満や不安などについても、価値観の充実度が低いことが原因かもしれません。
このように価値観を明確にすることで、充実した人生にするための指標とすることができますので、ぜひ試してみてください。
東洋経済新報社
¥2,803(2024/11/21 18:45時点)
独学大全「ラミのトポス」から応用した、コーチングの抽象的な質問8分類
先日、読書猿さんの「独学大全」を読んで、コーチングで行う質問の分類に関してヒントを得られたので、整理しておきます。
ダイヤモンド社
¥3,080(2024/11/21 12:17時点)
この分類は、「独学大全」第二部7章の技法17「ラミのトポス(P224~P229)」を自問から他者が行うコーチングの質問に応用し、アレンジを加えて整理したものです。拡大質問を5W1H以外でさらに細分化すると、大体以下の表のように整理できるのではないかと思います。緑字でコーチングでの質問例を追加しました。
種 |
〇〇は何の一種か?・〇〇は何に属するか? |
差異 |
〇〇は、他とどこが違うのか?・現状との違いは何か? |
部分 |
〇〇を構成する部分を列挙すると?・〇〇の要素を1つづつ挙げると? |
定義 |
〇〇とは何か?・何をもって〇〇か?・〇〇の必要条件は何か? |
意味 |
〇〇の意味は何か?・〇〇はどんな意味を持つか? |
相反 |
〇〇の反対は?・〇〇しない場合は?・〇〇にならない場合は? |
原因・由来 |
〇〇を生じさせる(た)ものは?・〇〇のきっかけは? |
結果・派生 |
〇〇から生じる(た)ものは?・〇〇するとどうなる?・他にあるのは何か? |
「差異」は元々「種差」ですが、適用範囲を拡げるため差異に変更し、「意味」は本来「語源」ですが、人に焦点を当てるコーチングの場合、語源=名前の由来になり、ほとんど使用しないので、語源から使用頻度の高い意味に入れ換えました。
コーチングのプロセスは、説明のため簡略化すると、具体(現状把握)→抽象(内心の明確化および一般化)→具体(行動の選択)のように、具体と抽象を行き来します。
具体的な内容を扱う質問は5W1Hで事足りますが、抽象的内容を扱う場合、「〇〇のxは何?/どう?」という形で、質問はより細分化します。上の表は、このxについて分類したものと言えます。独学大全に説明があるので下に引用します。
「一連の問い」には、「誰が/何が?」「誰を/何を?」「どこで?」「誰の/何の助けで?」「なぜ?」「どのようにして?」「いつ?」のように、時空間に定位できる具体的な出来事や情報を扱うのに向くものがある。これに対して抽象的な議題を扱うのに適しているのが、フランスの数学者ベルナール・ラミによる「ラミのトポス」である。
読書猿「独学大全」P227
したがって以上のように分類すると、コーチングで行う抽象的な拡大質問について、より理解が深まると考えています。
ただし、質問を分類して理解できたとしても、実践で使いこなせなくては意味がないので、この分類を頭に入れつつ実地での研鑽に励んで頂けたらと思います。
実際の質問例については、コーチング質問集をご活用ください。
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GRIT(やり抜く力)とコーチングの関係
私はここ数年、コーチングの効果について経験則に重点が置かれていて、理論的な裏付けが弱いのではないかと懸念していました。
先日オプティミズムの本とGRIT本2冊と「コーチング・バイブル第4版」を立て続けに読んで、ずっと探していたパズルのピースが見つかり、ピッタリとハマった感覚がありました。
どういうことかと言うと、「コーチングの目的のひとつはクライアントがGRITを身につけるため」と定義づけることが可能ということです。このように定義することによって、科学的な研究に基づいた学術的な裏付けをコーチングにもたらすことができます。
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この記事では、GRIT(やり抜く力)とコーチングの関係についての考察を示します。
コーチングにおける「本質的な変化」とは
コーチング・バイブルには、コーチングは「クライアントの本質的に変化を呼び起こす」ことが目的とあります。コーチング・バイブルは15年前から読んでいて、この「本質的な変化」とは何だろうと、何年もぼんやりと考えていました。
変化が起きることによって、クライアントの中で何らかの能力や資質が高まるような気はしていましたが、本を読みながらコーチングで行っていることを思い返すうちに、「本質的な変化=楽観主義やGRITを身につけること」と定義しても良いのではないかと考えました。
以下にその理由について、GRITとコーチングの関係をもとに説明します。
GRITの4つの要素とコーチングの関係
コーチングの具体的な目的は「クライアントの価値観や人生の目的や意義を明らかにして、それらに沿った行動を起こす、あるいはやめる選択を継続するサポートを行うこと」と考えています。
このコーチングの目的を考えた場合、GRIT(やり抜く力)を身につける上で必要な4つの要素と、コーチングで行う内容に相関があることに気がつきました。GRITを身につける上で、下の4つの要素が必要だとされています。
- 興味
- 目的
- 練習
- 希望
これから4つの要素に沿って、コーチングとの関係を示します。コーチングの説明としては順序が前後しますが、GRITを起点にすると以下のようになります。
1.興味
コーチングでは、様々なアプローチでクライアントの価値観を明らかにします。また、明確になった価値観を実生活でどれだけ満たせるかが、クライアントの幸福度に関わるため、日々の生活の中でどれだけ価値観を満たしているか、どうしたら満たせるかを継続的にチェックします。
例として、運動不足を解消して減量したいクライアントの場合を考えてみます。価値観を探すアプローチとして、子供の頃好きだだったことを聞き「自転車で走り回ること」を思い出したクライアントは「自転車を買ってサイクリングする」という行動を答えとして出し、楽しんで運動できるようになります。
このように価値観を満たす行動には、自然と興味が生まれ、情熱を持って臨むことができます。
2.練習
コーチングには守秘義務があり、クライアントが何でも自由に話せる「安全な場」を作ります。安全な場にすることによって、自分の想い(思考と感情)を止めることなく出すことができ、今まで気づかなかった想いを味わい、前に進むことができるようになります。クライアントが「ありのままの自分を出す練習」ができる環境を提供します。
また、何かをやり抜くには行動を積み重ねる必要がありますが、コーチングではクライアントが失敗を恐れず継続的にチャレンジできるようサポートします。具体的には、コーチングでクライアントが決めた行動について毎回検証を行います。主にコーチングの開始時に前回の振り返りを行うことによってどれだけ行動できているか、できていなかったら何が要因か探り、継続的に行動できるようなアプローチを行います。
このように、コーチングは行動を積み重ねるための練習の場として機能します。
3.目的
コーチングでは常に行動(doing)の目的、つまりゴールを明らかにします。人生を変えるには行動を変える必要がありますが、目的あるいはゴールは行動をする上での指針となり、次に進む方向を明示します。
また、興味の項で触れた価値観とも深く関わりますが、コーチングではクライアントの存在意義も明確にします。存在意義は、価値観に基づいた「その人自身が望むあり方の定義」で、このあり方(being)は人生における究極の目的と言えるものです。
ここで補足すると、コーチングでは行動(どうするか:doing)はもちろんですが、あり方(どうあるか:being)についても重視します。人は日々の生活で行動にばかり気が向きがちですが、あり方が行動の原動力となるため、上記の通り存在意義を明確にすることによって、目的が生まれて進む道に迷いがなくなります。
4.希望
コーチングではクライアントに対して、承認(認知)や励ましといったポジティブなフィードバックを行い、ネガティブなフィードバックはあまり行いません。
私が不勉強なだけで他の方は違うかもしれませんが、経験的にポジティブなフィードバックのほうが効果的な感じがするからそうしているだけで、なんでそうするのか深く考えていませんでした。ところが、「オプティミストはなぜ成功するか」を読んでこの答えが見えた気がしました。
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基本的に楽観主義、つまりポジティブでいたほうが成功する確率が高いことが研究で明らかになっています。また、悲観主義はこれまでの人生で経験的に身についたもので、後から訓練で楽観主義に変えられることも分かっています。
ところで、思い込みによるネガティブな自己評価をポジティブに変えるアプローチによって、クライアントが自信を取り戻したり、新しい視点で物事を捉えるようにすることはコーチングでよく行っていることです。これはまさしく悲観主義を訓練で楽観主義に変えていくプロセスだと言えます。
楽観主義はGRITの4つの要素である「希望」に包括されているため、希望については楽観主義を身につけることで満たすことができると考えます。
まとめ
以上のことから、クライアントがGRITを身につけることが、コーチングにおける本質的な変化を示すものと定義可能と考えています。
コーチングで行う内容は従来とそれほど変わらないと思いますが、GRITとコーチングが結びついたことで長年の疑問と懸念が払拭され、コーチングを行う目的と意義がより明確になり、ステージが上がったように感じています。
この記事が私と同じような想いを抱いていた、コーチングに携わる方の一助となれば幸いです。
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「メモの魔力」はメモ魔教の聖典にして強力なセルフコーチング本なので禁書(以下略
最近ブチ当たる本が、コーチング殺し続きで闇落ち待ったなしの私ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
友人がサロンに入って実践しているという「メモの魔力」をKindleストアでポチって読んでしまいました。
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著者の前田裕二さんは、仮想ライブ空間サービスの「SHOWROOM」を運営する、SHOWROOM株式会社の代表取締役社長です。しかも編集は箕輪厚介さんです。強すぎ!
そして内容ッ!「小さな習慣」に引き続きお前もかーーーーーー!!!!!!
「小さな習慣」がコーチングを殺しにきているので禁書に指定
私はコーチングを行っていますが、コーチングは対話を通じて、その人がどうしたいか、どうありたいかを明確にすることで、結果として行動に移すお手伝いをします。「やりたい」を「できる」に変えることが目的なので、行動を習慣化することがゴールとも言えま...
タイトルに書いてあるとおり、メモ魔教の聖典にして、強力なセルフコーチング本です。
どんなときにもメモを取りまくるメモ魔の前田さんが、抽象化と具体化、構造化や習慣化もフォローしつつ、価値観と軸の明確化など、自己分析と思考フレームに始まりセルフコーチングまで、メモの魔力のみの一点突破で全部語り尽くすスタイルが狂気さえ感じられて非常に面白かったです。
漫画「るろうに剣心」で左之助が攻撃特化で防御の修行をまったくせずに呆れられるも、結局それで勝ってしまう話や、以前2ちゃんねるのまとめで見た、コーラが好きすぎて面接時にコーラの話題で内定が決まった話を思い出しました。
コーラ飲んだら内定もらえた | 不思議.net - 5ch(2ch)まとめサイト
人生についてや関連のまとめ
前田さんが8歳のときに事故でご両親を亡くされるという圧倒的絶望が原体験で、運命に抗いたくなる強い想いが力の源となり、メモによって人生を切り開いていく様は、まるでファイナルファンタジーIVで、暗黒騎士から自分に向き合ってパラディンに生まれ変わる主人公セシルのようです。
また、似たような本として岡田斗司夫さんの「スマートノート」がありますが、「メモの魔力」のほうが単なるノート術にとどまらずに、すべての能力を高められる人生の指針として宗教的でさえある熱量に圧倒されます。「メモ魔塾」というサロン(後述)もあるので、メモ魔教として広めたいんじゃないかとさえ感じます。
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余談ですが岡田斗司夫さんも2011年に同じようなことを試みられていて、FREEexとクラウドシティというネット上を起点に活動するコミュニティを運営していましたが、タイミングが早すぎて社会が付いていけなかったようです。私も2011年からクラウドシティに入っていましたが、かなり刺激的で面白かったです。クラウドシティは存続していますが、仕事が忙しくなってきたこともあり、今ではログインしなくなってしまいました。
現在は有名人のサロンやオンライン塾などが盛んになっていて、うまく時流に乗って来ているという点でも、本書の仕掛け方が非常に上手いと感じています。おそらく参考にしているだろうと思ったら、編集の箕輪さんが岡田さんと対談している動画がありました。
今ならサロンに無料で入れる
本書を購入した人はオンラインサロン(Facebookグループ)の「メモ魔塾」に2020年まで無料で入れます。紙でも電書でもOKです。
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参加ボタンを押すと、下の写真のように入力欄が現れるので、そちらにバーコードあるいは注文番号を入力します。私はKindle版を購入したので、下の欄にメールに記載された注文番号をコピペしました。
サクッと入ってみたらメンバーが現時点で5350人でした。49万部売れているので計算すると1.09%の人しか行動していないんですよね。公式Twitterのフォロワー(3879人)を入れても2%前後です。私はタダだから様子見たろ!という軽いノリで入ったというのに…。
本に感銘を受けて人生を変える気が起きたら、FacebookやTwitterのアカウントを作ってでも入るなりフォローなりすると思うんですけど、実際には多くて50人に1人しか行動しないのはコーチングのプロとしては興味深いです。ただし、経営者としては軽く絶望を覚えます。仲間が集まるだけでなく、著者やスタッフの方に質問や相談を直接できる、こんなお得なサービスなのに、なんで…なんで…。
まとめ
私はコーチングでクライアントの方を通じて軸や価値観を扱うのが慣れていて、日頃から本を読んだり(インプット)ブログを書いたり(アウトプット)と訓練を積んでいるので、個人的には既視感の多い内容でした。ただ、現時点で自分の軸や価値観があいまいで、抽象化や言語化を苦手としていて、インプットとアウトプットの習慣がない人には福音になりうる内容だと思います。
また、巻末に1000の質問がありますが、サロンの人数を見るとレベル1とされている最初の100問でさえ、やる人はそれほど多くなさそうだということがわかり、コーチングの提供者としては食われる心配は当面なさそうなので、安心やらガッカリやら複雑な心境です。
編集者の箕輪さんも動画などで仰っていますが、要約すると「どの本でもぶっちゃけ行動しろしか書いていないけど、それでも人は行動しないので、なんなら本を読んでくれなくても行動すれば突き抜けられる」というのは真理だと思うで、まずは行動しましょう。本気と書いてマジで。
100問やっておけば、本に書いてあるとおり価値観がかなり明確になり、軸は見えてくると思います。
いいから黙って100問やっとけ!話はそれからだ!!
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実践者がこれ以上増えると恐ろしいので、念の為こちらもコーチング殺しの禁書に指定しておきます。
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